千年の時を経て守り継がれた伝統芸能、水上人形劇を知ろう!

みなさん、こんにちは!JTSのミウです。
ここ最近、日本各地で花火大会が開かれていますね!
去年はコロナで泣く泣く花火大会を断念した苦い思い出があるので、
SNSで見る大きな花火と活気あるお祭りの様子に、少しだけ日本の夏が恋しい気持ちになりました。
もちろん、ハノイの夏も楽しいですが(笑)
さてさて、本日はベトナムといえば外せないあの伝統芸能…
水上人形劇について、皆さんにご紹介させて頂きます!

1.水上人形劇の歴史

水上人形劇の歴史は、11世紀~14世紀に成立した陳朝時代に遡ります。
もともと農民たちが池や田んぼを舞台に、収穫の祀りとして上演していたのが始まりと考えられており、次第に宮廷で王族たちに向けて披露される程、格式ある芸能に発展していきました。
黎朝時代(15世紀~19世紀)に入ると、農村での暮らしやベトナムの文化的行事を扱った独創的な作品が次々と生まれ、この時期に水上人形劇の様式は大きく発展します。
しかし、19世紀~20世紀にかけてフランスによる植民地時代が始まり、水上人形劇の文化的重要性は軽視され、単なる鑑賞劇として扱われるようになっていきました。
1945年~54年の間に勃発した2回目の対フランス戦争後には、敵の文化遺産に対する破壊攻撃によって、水上人形劇は一度消滅してしまいます。
しかし、1956年3月、ホーチミン主席の指示のもと、専門的な人形劇産業が発足。
米国との戦時中も、勢いは衰えながらもその活動は継続し、1986年の終戦以降、水上人形劇はベトナム屈指の文化芸能として、ベトナム全土で再び上演されるようになりました。
今日では水上人形劇を鑑賞しようと、毎日世界中から多くの観光客が訪れるほどの人気ぶり。
ベトナム民族の歴史を反映したストーリーや、貧しいながらも日々に楽しさを見つけ懸命に生きる農民の姿を描いた水上人形劇は、言葉の違いを超えて、私たちに感動を与えてくれます。

2.見どころ

劇が始まると、ユニークな表情の人形たちが、ベトナム民族楽器の生演奏に合わせて水上をコミカルに動き回ります。
5分程度の短編数話で構成されており、観客を楽しませる仕掛けが満載でかなり見ごたえのあるステージです。
ストーリーもバラエティに富んでいて、農村に住む農民たちから、優雅な舞を踊る仙女、さらには火を噴く竜なんかも登場します!
まるで生きているかのように水面を縦横無尽に動き回る人形たち、一体どうやって操作しているんだろう?と気になりますよね。
しかしながら、具体的な操作方法については「門外不出」らしく、今でもその全貌は謎のままなのです…。

3.実際に観に行ってきた!

先日、友達と水上人形劇の夜公演を実際に観に行ってきました!
私が観に行ったのは、ホアンキエム湖の北にある、「タンロン水上人形劇場(Nha Hat Mua Roi Thang Long)」という劇場です。

開演前の舞台の様子 両端に民族楽器が置かれています

当日は平日にも関わらず、ほぼ満席でした。
チケット売り場は非常に混雑しているので、スムーズに入場したい方は事前にオンライン予約するのがおすすめです。
~タンロン水上人形劇場公式ホームページ~
http://thanglongwaterpuppet.com/ticketbook

公演開始のブザーが鳴り、いよいよスタート!

最初は、ダン・バウと呼ばれるベトナムの民族楽器の演奏です。
右手で弦をはじきながら左手の竿で音程に振動を加えるという演奏方法で、ベトナムの田園風景を思い起こすような優雅な音色が会場いっぱいに響き渡りました。

8人の仙女の舞

本編はテンポよく様々なストーリーが切り替わっていくので、少しも目が離せません。
また、言語が分からなくても、人形たちのコミカルな動きと軽快な民族音楽が心地よく、見ているだけでも十分楽しめるなと感じました。
上の写真は8人の仙女が舞うシーンなのですが、全員の息があまりにぴったりで驚きました。
一体どうやって操作しているのか、本当に気になりますね…!

農村で働く農民の様子

他にも、火を噴く竜が登場する迫力のパフォーマンスもありました。 
演出を存分に楽しみたい方は、是非前列の席を予約しておきましょう!

公演後、パフォーマーたちが奥の建物から挨拶に出てきてくれます

約1時間の公演は、あっという間に終了。
公演後に、奥の建物からパフォーマーたちが出てきて挨拶してくれました。
様々な年代の人たちが活躍している姿を見て、千年の歴史をもつこの伝統芸能は、こうやって新しい世代へと巡り守り続けられているんだなと思い、感動的な気持ちになりました。
皆さんも是非、ご自身の目でベトナムの伝統を守り抜く水上人形劇を堪能してみてほしいと思います!

いかかでしたでしょうか。
水上人形劇は室内公演のため、雨の多いこの時期でもお楽しみ頂けます。
ハノイにお立ちよりの際はぜひ、足を運んでみてくださいね~
それでは、またお会いしましょう!


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